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靴が鳴る ―続・日本の歌 <最終回>―

2011年10月26日|連載 続・日本の歌

童謡からロックに至るまで、幅広いジャンルからポピュラーな日本の歌の歌詞の一部を英訳して掲載している、『オーレックス和英辞典』のコラム「日本の歌」。このサイトでは1年間にわたり、毎月1作品ずつ、全歌詞の翻訳を紹介してきました。今月が最終回です。

最後にご紹介するのは、「靴が鳴る」です。“お手(てて)つないで 野道を行けば” という出だしだけでも、子供たちが外で楽しく過ごしている様子が思い浮かびます。「靴が鳴る」という部分の訳し方にはぜひご注目ください。

これまですべての歌の翻訳を、東京外国語大学客員教授 Caroline E. Kano 先生がご担当くださいました。キャロライン先生、1年間ありがとうございました。


靴が鳴る

作詞・清水かつら 作曲・弘田龍太郎

お手(てて)つないで 野道を行(ゆ)けば
みんな可愛(かわ)い 小鳥になって
歌をうたえば 靴が鳴る
晴れたみ空に 靴が鳴る

花をつんでは お頭(つむ)にさせば
みんな可愛い うさぎになって
はねて踊れば 靴が鳴る
晴れたみ空に 靴が鳴る


Merry Shoes
Translated by Caroline E. Kano

Hand in hand, we skip along the lane,
Like pretty little birds, let us all be!
When we sing, ①our merry shoes join in,
’Neath a clear, blue sky, ①our shoes ②with us sing!

Let us pick flowers, and put them in our hair,
Like lovely little rabbits, we will all appear!
When we dance, our merry shoes join in,
’Neath a clear, blue sky, our shoes with us sing!


①3, 4 行目の「靴が鳴る」は「陽気な靴が自分たちと一緒になって歌ってくれる」と訳した。

②詩的な表現として、beneathの代わりに’neathを用い、またsing with usではなくwith us singという語順にした。

③花を摘む動作は、1番で描かれる野道を行く動作と並列ではなく、その情景の中で起こるものととらえ、2番の出だしはその時間の流れを意識してLet us ~と訳した。

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